MVNOとは格安スマホや格安SIMを提供している通信会社の総称
MVNOとは、格安スマホや格安SIMを提供している通信会社の総称です。「Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者」を略して呼び名が付けられました。MVNOと並んで使われる言葉にMNOがあります。「Mobile Network Operator:移動体通信事業者」の略称で、携帯キャリアを意味する言葉です。
MVNOとMNOは、同じ通信会社ではありますが、MNOが持っている通信設備(インフラ)をMVNOがレンタルしている関係性なのです。通信設備(インフラ)を設置・維持・拡充するのには時間もお金もかかります。しかし、レンタルして使った分の費用を払うだけで済めば、時間をかけずに、携帯キャリアと同じようにスマホなどの通信サービスが提供できるのです。2001年からサービスが開始され、通信系以外の業界からMVNOに参入する企業も増えてきました。
MVNOを利用するメリット
MNOから通信設備(インフラ)をレンタルしている以外にも、MVNOの特徴をチェックしましょう。まずはメリットから解説します。
利用料金が安い
MNOと比較した時に、利用料金の安さが特徴として挙げられます。MNOから通信設備(インフラ)をレンタルして初期投資や維持費が抑えられる影響は大きいでしょう。なかには店舗を持たずに、より維持費を抑えているMVNOもあります。申し込みや相談の窓口をネットメインにしたり、サポート情報を解説したページを用意したりして接客や電話応対のためのスタッフを減らすのも維持費を下げる工夫といえるでしょう。
また、料金プランがシンプルなのもMVNOの特徴です。いくつかのデータ容量で料金プランが設けられ、ご自身のネット通信量に応じて最適なものが選べます。使い方が分かれるサービスは、オプションとして追加する仕組みがMVNOでは一般的といえるでしょう。
使い方に差が出やすい音声通話は、「かけ放題」・「無料通話分がある」・「最初の◯分が無料」の3パターンのいずれかで各MVNOがオプションを提供しています。ほかにも音声通話がないかわりに、データ容量を大きくしたり費用を安くしたりするSIMカードがあったりと各社の違いが出るポイントです。
乗り換えがしやすい・現在使用中のスマホを引き続き使用できる
MVNOなら通信会社の乗り換えもしやすいです。現在使用中のスマホを引き続き使用する時、SIMカードのみを契約してさし替えれば簡単に乗り換えができる場合もあります。機種代も新たにかからずに節約が可能です。ただし現在使用中のスマホが、乗り換え先のサービスやSIMカードのタイプに適応するかは事前に確認しましょう。詳しくはメーカーやMVNOそれぞれのホームページで確認するのがおススメです。
MVNOでもMNPができる・縛りがゆるい
使用中の電話番号を他社への乗り換え時に引き継ぐ「MNP」(Mobile Number Portability:携帯電話番号ポータビリティ)を検討している方も多いのではないでしょうか。MVNOでも、音声通話が利用可能な「音声通話SIM」ならMNPも利用できるのが一般的です。MNOからの乗り換えをさらに容易にしているポイントといえるでしょう。
またMVNOは、契約期間などの縛りがゆるいのも特徴といわれます。契約解除料などを気にせずに乗り換えができるため、使ってみて不具合を感じた際にほかのMVNOに乗り換えたりするハードルが低いです。
MVNOを利用する際の注意点
MVNOには、契約前に確認しておくのが望ましいデメリットもあります。下記に代表的な例をまとめました。契約前に参考にしてデメリットを回避しましょう。
実店舗が少ないので、設定を自分でする必要がある
維持費を下げるために店舗を持たないMVNOがあると紹介しました。店舗がなく接客用のスタッフに相談できない場合、初期設定などをご自身でしなければなりません。またサポート体制がオンラインのみの場合、慣れているから大丈夫と思っている方もいるでしょう。しかし機種ごとでの違いを細かく解説するのが難しいので、解決策をネットから見つけ出すのに時間がかかったり説明を読んでも分からなかったりするかもしれません。
キャリアメールが使えなくなる
「キャリアメール」が使えなくなる点にも注意しましょう。キャリアメールとは、通信会社と契約した際に交付されるメールアドレスであり、その通信会社が独自で提供するため他社に引き継げないのが基本です。一部のMVNOでも、独自でキャリアメールを交付している会社はあります。ちなみに、auからUQモバイルへ移行した場合は別途お申し込みいただければ移行後も引き続きauメールのアドレス(@ezweb.ne.jp/@au.com)をご利用いただけます。他キャリアメールをお使いの方はメールアドレス提供元にご確認ください。
auメール持ち運びサービス
キャリア決済や銀行口座引き落としができなくなる場合がある
キャリアメールと同じく、「キャリア決済」も使えなくなる可能性があります。有料のサービスやコンテンツの料金を月々の利用料金と合わせて支払っている場合は要注意です。キャリア決済に対応したMVNOならば引き続き利用もできますが、非対応のMVNOに乗り換えてしまうと利用できなくなるでしょう。「おサイフケータイ」なども使えなくなる場合があるので、事前に確認が必要です。
また利用料金などを銀行口座から引き落としで支払っている方もいるでしょう。しかしクレジットカードでの支払いが前提で、銀行口座を介したキャリア決済に非対応のMVNOがあるのです。
通信速度が遅い場合がある
携帯キャリアと比較すると、MVNOでは通信速度が下がる可能性が指摘されています。つながりやすさや通信エリアは通信設備(インフラ)を借りているMNOと同じであっても、借りている回線のキャパシティや利用状況によって通信品質に差が出ます。朝夕の通勤通学時間・お昼の休憩時間・夜間21〜23時などはとくに利用が増えて速度低下になる可能性が高いといえます。仕事で大きなデータのダウンロードをしたい場合などは時間がかかるかもしれません。