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国が推進する「eSIM」とは?基本や仕組みを解説

基本や仕組みを解説 国が推進する「eSIM」とは? 基本や仕組みを解説 国が推進する「eSIM」とは?

2021年3月に各通信会社からスマホの新料金プランやブランドが発表されたのは記憶に新しいでしょう。利用料金の値下げによって業界や競争の活性化を図るための施策ですが、ほかにも政府によって推進されている取り組みがあります。その一つが「eSIM」の普及です。どのような利点があって国がeSIMを推奨しているのでしょうか。eSIMのメリット・デメリットなどを今回は解説していきます。

eSIMには、機種に内蔵する本体一体型のSIM+遠隔から書き換え可能なSIMの2通りの意味がある

eSIMとは、新しいSIMの規格であり、主に2つの意味合いで使われる言葉です。一つ目は、機種に内蔵する本体一体型のSIMの意味する場合です。「Embedded SIM」の略称であり、ほかのSIMカードにくらべて小型のチップが搭載されているタイプの機種を指すときに使われます。「Embedded」が“埋め込み”を意味するところからも、SIMの特徴がイメージできるでしょう。

もう一つが、遠隔で情報が書き換えられるSIMを意味するケースです。「eUICC SIM」の略称としてeSIMと呼ばれるケースが該当します。カードタイプのSIMは、乗り換えのときにカード自体のさし替えを行うのが一般的です。対するeSIMは、カードのさし替えがなくても乗り換えができます。遠隔で情報を書き込める仕組みを「RSP」(Remote SIM Provisioning:リモートSIMプロビジョニング)といい、RSPを使ってオンライン上で手続きを行うのです。

もともとはスマホではなく、企業向けのいわゆるIoT機器向けにeSIMは考案されました。実際にトヨタ自動車は2016年からeSIMを活用して、通信回線の統合管理や監視が行えるグローバル通信プラットフォームの構築を進めています。スマホへの利用拡大も進んでおり、AppleのiPhoneは「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」以降がeSIMに対応したモデルです。「Apple Watch」やタブレットの「iPad」シリーズでも対応機種がでているのにくわえて、ほかのメーカーの製品も登場しています。

総務省が推進する「eSIM」

日本ではまだ新しい言葉として認識されているかもしれませんが、eSIMがすでに一般的になっている国もあります。欧米を中心に55カ国以上で導入が進み、2024年にはスマホの出荷台数における33.8%がeSIM対応機種になるとの予想もあるほどです。そのため海外渡航者や来日観光客などの利便性を向上させるために、eSIMの利用促進を進めたいとの考えが政府にはあります。2030年には訪日客6,000万人を目指すと政府は目標を掲げました。その実現にはeSIMが必須であると考えたのです。

また利用者による通信会社の乗り換えの円滑化・活性化をeSIMの普及によって実現したいとの考えも政府にはあります。利用料金の引き下げなど、通信業界における寡占状態の解消や競争の活性化に向けた施策が行われていたのをご存知の方も多いでしょう。詳しくは後述しますが、eSIMには通信会社の乗り換えをしやすくするメリットが多く、業界の活性化に役立つと考えられています。

eSIMの普及に向けた考え方や留意事項をまとめた「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を2021年8月10日に総務省は策定・公開しました※1。ガイドラインのなかで、格安スマホや格安SIMを提供する「MVNO」(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)がeSIMのサービスを提供できるようにするために、携帯キャリアに対して機能開放を総務省は要請しています。要請をうけて、auも2021年8月26日からeSIMに対応を開始しました。同じくKDDI傘下であるUQモバイルも2021年9月2日から対応を始めたところです*5

※1:参考「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」(総務省)

eSIMのメリットとデメリット

世界的に普及して日本政府が推奨しているeSIMにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。代表的なものをまとめてみました。

メリット1

SIMカードのさし替えが不要

eSIMは、機種に組み込む小さなチップ型のSIMを指す場合があります。最初から組み込まれているため、さし替えをする必要がありません。たとえば通信会社の乗り換えのとき、契約後に新しいSIMカードが発行されます。しかし郵送で送られてくる場合はすぐにさし替えができません。さきほどトヨタ自動車での活用について紹介しましたが、紛失や破損の恐れも少ないため、振動が多い車にも利用されているのです。

メリット2

手続きがオンラインで完了する

eSIMはオンライン上で乗り換えなどの手続きができます。店舗で乗り換えを行ったときに長時間待たされた経験はないでしょうか。オンラインで手続きができれば、来店する手間や待ち時間などを無くすことができます。さらに店舗は営業時間がかぎられていますし、また予約制の店舗では、行きたいタイミングでの来店も難しいかもしれません。オンラインなら営業時間外でも手続きができるメリットもあります。

メリット3

海外でも使いやすい

eSIMは海外ですでに広まっていると紹介しました。海外では、プリペイド式のSIMカードを購入してSIMフリースマホにさして利用するのが一般的といわれます。そのため現地に到着してすぐに使おうと、国内の空港やネット通販などで現地対応のSIMカードを先に買って準備する人もいます。しかし空港で取り扱っているカードに種類や在庫に限りがあったり、ネット通販では取り寄せに時間がかかったりと不備もありました。eSIMならば物理的なカードが不要のため、設定さえできれば、海外でのネット利用のハードルが下がると期待されています。

メリット4

SIMカードも挿入できるスマホ機種であれば、1台で複数回線の使い分けができる(デュアルSIM)

2つのSIMを利用して2つの電話番号(2つの回線)を使用する仕組みを「デュアルSIM」といいます。eSIMに対応しつつ、カードタイプのSIMを別でさしてデュアルSIMを可能にした機種も普及しています。さきほど海外の例を紹介しましたが、普段はカードタイプのSIMを使っている方は、海外に行く際にeSIMも使えば新たに機種を購入したりせずに済みます。仕事とプライベートを分けたい方や、2台持ちを辞めたい方などにもおススメです。

デメリット1

機種変更の手続きに手間がかかる

つづいてeSIMのデメリットをチェックしましょう。まずは機種変更の手続きに手間がかかる点が指摘されています。逆をいえば、カードタイプのSIMは機種変更が簡単なのです。カードタイプは、SIMカードをさし替えれば終わる場合もあるからです。
しかしeSIMの場合は、オンラインでの手続きが発生します。しかもオンラインでしかできないケースもあり、自力で機種変更の手続きをしなければなりません。オンラインでの手続きが困難なユーザーには敷居が高いといえるでしょう。

デメリット2

対応している通信会社が少ない

auは2021年8月26日からeSIMへの対応を開始しますが、まだまだ対応している通信会社が少ないのもデメリットです。携帯キャリアがeSIMに対応し始めたばかりで、eSIMを書き換えるのに必要なRSPをMVNOには開放していません。そのため携帯キャリアから通信設備(インフラ)を借りているMVNOの多くはeSIMを提供したくてもできない状況です。携帯キャリアのサービス拡大にともなって、eSIMに対応したMVNOの増加も期待されています。

デメリット3

対応している機種が少ない

対応している機種もまだまだ限られます。対応している通信会社が少ないのと同じく、携帯キャリアの本格参入に合わせてラインナップが増えてくると予想されます。iPhoneについてはすでに紹介しましたが、ほかのメーカーも対応機種も登場させています。詳しくはメーカーや通信会社のホームページなどで確認しましょう。

デメリット4

eSIMを書き込むための「アクティベーションコード(QRコード®)」を表示するための端末が必要

eSIMを登録するときはアクティベーションコード(QRコード®)を読み取って行うのが一般的とされています。しかし読み込むためのQRコード®を表示させる機種がもう一台必要です。もちろんインターネットに接続可能でなければなりません。家族などに機種が借りられればいいですが、一台しか機種がない方は注意しましょう。

デメリット5

SIMを端末に書き込む際にインターネット回線などが別途必要

QRコード®を別の機種に表示させる以外に、紙に印字してカメラで読み込む方法もあります。しかしこの場合でも、eSIMを設定する新しい機種はWi-Fiなどでネットにつなげておかなければなりません。もちろんパソコンやプリンターなどのデバイスも整っていないと難しいでしょう。各通信会社のホームページなどをよく確認して検討しましょう。

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eSIMに対応している通信事業者が少ない理由

デメリットもありますが、政府や総務省に指示されているにもかかわらずeSIMに対応している通信会社が少ないのには理由があります。代表的な理由を紹介しましょう。

設定を自分で行わなければならない

デメリットのところで紹介しましたが、eSIMはオンライン上ですべての手続きを自分で行う必要があります。サポート用の店舗などでスタッフに契約や設定を一任している方にはハードルが高く感じるかもしれません。

RSP機能を使えるのが、MVNOの場合は、自身でSIMを発行できるフルMVNOだけに限られている

eSIMを書き換えるためにはRSPの設備が必要です。しかしRSPを持たないMVNOがあると紹介しました。なかには通信のコアになるネットワークの一部を携帯キャリアに頼らず独自で運用し、SIMの発行も可能な「フルMVNO」もあります。ただしまだまだ数がかぎられるのが現状なのです。

セキュリティリスクへの懸念

eSIMにおけるセキュリティ面のリスクを懸念する声もあります。スマホのカメラを使って顔や身分証明書を撮影し、オンライン上で本人確認を行う「eKYC」の利用がeSIMの契約では前提になるでしょう。しかしオンラインでのやりとりのため、漏洩や不正利用のリスクが発生し、クローンSIMの作成や不正契約などに悪用されかねないのです。

eSIMの一般的な設定手順

eSIMの利用を開始するまでの手順の一例を、UQモバイルのケースに倣って紹介します。OSの種類やバージョンによる違いがあるため、ご自身の機種にあった手順をホームページなどでも確認するのをおススメします。

eSIMの開通手順(iPhoneで機種購入ありの場合)

データ量に合わせてUQモバイルでは3つのプランを用意しています。ご自身のデータ使用量に合わせて最適なプランをお選びください。オプションはもちろん、最新のハイスペックモデルからシンプルで使いやすいモデルまで機種のラインナップも豊富です。対応機種であればiPhoneなら4ステップ・Androidなら2ステップで他社から乗り換えができますので、気軽にご利用ください。

※2022年1月時点の情報です。

1. iOSのバージョン確認

UQモバイルのeSIMは、iOS 13以上に対応しております。対応機種の利用中でもiOS 13以上でない場合は、eSIMプロファイルダウンロード前にiOSのアップデートを必ず行いましょう。

2. 【MNPの方】回線の切り替え

新規ご契約の方は対応不要ですが、MNPおよび機種変更で契約される方や再発行の方は下記のように対応してください。

MNPおよび機種変更でご契約の方

Webサイトか電話で回線の切り替えを行います。移転元事業者の通信サービス・Wi-Fi・その他パソコンやタブレットなどをご利用ください。切り替え後、今まで使用されていた移転元事業者の通信サービスはご利用できなくなります。

再発行の方

再発行の方は携帯電話(個人)オンライン回線切替のお手続きのページをご確認ください。
携帯電話(個人)オンライン回線切替のお手続き

3. eSIMプロファイルダウンロード

「自動プロファイルダウンロード」・「My UQ mobileアプリ(UQ mobileポータルアプリ)」・「QRコード®読み取り」のいずれかからプロファイルをダウンロードしましょう。それぞれの詳しい手順は、eSIM開通手続きのページでも画像付きで掲載されています。そちらも参考にしてください。
eSIM開通手続き

UQ mobile オンラインショップでご契約のお客さまはお電話でのご相談も可能です。またeSIMプロファイルのダウンロード後に誤ってeSIMを削除した場合は、店頭での再発行手続きが必要となります。誤って削除しないよう十分ご注意ください。

自動プロファイルダウンロード

こちらはさらに3つのパターンに分かれます。

【端末同時購入/初期設定時】

新規契約または回線切替済みの場合は、iPhoneの初期設定手順の中で、eSIMのプロファイルダウンロードが自動で行われます。まずFace IDまたはTouch IDを設定してパスコードを作りましょう。「新規モバイル通信プラン」を選択し、「続ける」と進むと、自動でダウンロードが開始します。完了すると画面左上に「SIMなし」と出ていた箇所がUQ mobileの表示になるでしょう。あとはiPhoneの初期設定をそのまま行ってください。

【iPhone初期設定後に回線切替】

他社からの変更または機種変更の場合、iPhoneの初期設定後に回線切替を実施する方もいるでしょう。まず通知もしくは設定メニューから「UQ mobile モバイル通信プランのインストールの準備ができました」をタップしてください。「モバイル通信プランを追加」を「続ける」→「OK」と進むと、画面左上に「SIMなし」と出ていた箇所がUQ mobileの表示になるはずです。

【手動設定】

下記パターンの場合、設定メニューからeSIMのプロファイルを手動でダウンロードしなければなりません。

  • 初期設定フローのモバイル通信プラン追加手順で「あとで決める」を選択した
  • eSIM準備完了通知をタップして、eSIM追加の「キャンセル」を選択した
  • そのほかで何らかの要因で動作しなかった(push通知がなかなか来ない など)

手順として、「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」→「新規モバイルプラン」でUQ mobileを選択→「モバイル通信プランの追加」→同じく「モバイル通信プランの追加」と進んでください。すると「副回線」が「アクティベート中」と表示され処理中のマークが出ます。画面左上に「SIMなし」と出ていた箇所がUQ mobileの表示になればダウンロード完了です。

My UQ mobileアプリ(UQ mobileポータルアプリ)

アプリを開いたら次のように進みましょう。「eSIMの設定」→「eSIMプロファイルダウンロード」→「続ける」→「モバイル通信プランを追加」。ダウンロード中の画面が出たのち、「デフォルト設定が変更されました」を確認して「OK」を押せばダウンロード完了です。

QRコード®読み取り

eSIMを利用するのとは別のデバイスでプロファイルダウンロード用のURLにアクセスします。au IDの入力などをしたのち、QRコード®を取得して表示したままにしましょう。つぎにeSIMを利用する機種をWi-Fiなどを介してネットワークに接続します。「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プラン追加」と進み、別デバイスで表示しているQRコード®を読み取ります。「モバイル通信プラン追加」をタップして回線が追加されれば設定完了です。

4. eSIM切り替え

UQモバイル以外の回線契約をしている方は、eSIMの切り替えが必要です。「設定」→「モバイル通信」→「副回線」と進みましょう。モバイル通信が「UQ mobile」になっているのを確認して、「この回線をオンにする」を有効にします。「デフォルト設定が変更されました」と出るので「OK」をタップしましょう。「モバイル通信」を押し、UQモバイルで利用する回線を選択します。「ネットワーク選択」が「KDDI」になっていたら設定完了です。

5. 発信テスト

「111」に電話をかけてみましょう。無料で利用できる発信テスト用番号です。ガイダンスを最後まで聞いたら電話切ってかまいません。

  • ※Androidや、iPhoneでも機種購入がない場合の開通手順についても解説ページに詳しくまとめています。そちらをご覧ください。

「eSIM」のスマホ機種と合わせてUQモバイルを利用しよう!

通信業界の活性化や海外渡航者の利便性の向上に寄与する点でeSIMは期待されています。しかしオンラインでの手続きが前提のため、人によってはまだまだハードルの高いサービスの可能性も高いです。メリットだけでなく、デメリットもしっかりチェックして契約や利用を検討するのをおススメします。
またKDDIが展開するau・povo・UQモバイルのいずれのブランドもeSIMの対応を開始しました。eSIMの活用に興味がある方は、ぜひKDDIの各ブランドの利用をご検討ください。

  • ※本記事に掲載されている商品またはサービス等の名称は、各社の商標または登録商標です。
  • iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
  • 「Android」は、Google LLCの商標です。
  • 「AQUOS」は、シャープ株式会社の商標または登録商標です。
  • 「au」は、KDDI株式会社の登録商標です。
  • 「HUAWEI」は、華為技術日本株式会社の商標および登録商標です。
  • 「QRコード®」は、株式会社デンソーウェーブの商標または登録商標です。
  • 「Wi-Fi」はWi-Fi Allianceの登録商標です。

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